-中高年危機に備える立ち読み

三菱電機中高年問題研究委員会編
時事通信社
本体1,000円
B6版/本文205頁
<目次>
序 章 中高年問題とは
第一章 中高年問題のとらえ方
第二章 高齢化企業と生産性
第三章 身心の若さを保持するために
第四章 自立的精神の確立のために
第五章 高齢化対策の方向

あとがき
この本は主として三菱電機中高年問題研究委員会(労使)答申書を紹介したもの であり、その意味で大部分の内容は研究委員会全員の労作である。ただ、原稿作成 にあたった筆者の個人的見解の強い個所や、まとめ方において筆者の独断が現れて いる部分があるので、その点を一言だけ断っておきたい。
高齢化は今後、加速の一途を辿っていく。「活用の論理」を柱とした三菱電機の 中高年対策は、この時代を乗り切っていくための一つの試みであり、今ようやく実 験室から日の目を見ようとしている段階に過ぎない。その意味では海のものとも山 のものともつき難い内容である。只、労使委員がそれぞれの立場を越えて精一杯の 討論を展開した所産であり、その自信からくる充実感が、この本を書くエネルギー となった。
かつて話し合った老人クラブの会長さんが「老人クラブの仕事は“生きがい”対 策ではなく“死にがい”対策である」と述懐された言葉を今、しみじみと噛みしめ ている。よりよく死ぬために、よりよく生きる、そのための環境づくり(労使の責 任の一端としての)の一助になれば、これに優る喜びはない。
昭和五十五年三月一日 三菱電機中高年問題研究委員会委員 奥井禮喜