ライフビジョン学会10周年記念事業
第1回シンポジウム「働く現場で何が起こっているのか」

ライフビジョン学会設立以来のこの10年を概観して気付くのは、国民生活の基盤たる「仕事」領域においてその停滞感が著しいことである。

バブル当時、メセナ、フィランソロピー、企業挙げてのボランティアなどが賑々しく喧伝されたが、現在企業が遭遇しているのは有名企業の相次ぐ不祥事に代表されるように、経営の理想・理念を失念したかに見えるような実態であり、鳴り物入りで流行させられたかに見える成果主義も、いわば組織活性化よりも組織理念崩壊に貢献したとしか考えられない。
これらの状況は個人にしわ寄せされ、サラリーマンは企業社会の中で孤立を深めている。

圧倒的多数の方々が会社社会に暮らすのであるが、そこにおいて個人と組織を結び付けるのは人事管理の在り方に他ならない。にもかかわらずこの10年、人事管理が強化・充実されたという経験はほとんどないに等しい。むしろ人事管理が経理の下請け化して人事管理の形骸化をもたらしたと言うべきではなろうか。

仕事や会社がすべてではないが、それらが人々の人生について前向きに活動できるような安心・安寧を提供できないのであれば、じっくりと人生に取り組めない。

ライフビジョン学会は従来の会社組織内に飽き足らず、もっと手応えのある人生を作りたいと願う会員の集まりである。
そこでこのたび、設立10周年を記念する研究課題として、企業の中の人を巡る問題に焦点を絞り込んで、社会(企業経営者、人事部、組合他)に提言することとした。 個別の課題に埋没して難を逃れる「人生設計」は誤りである。この事業を通じて「全体の部分」としての個人と組織、社会の今日的「条理」に疑問符をつけて、より良い人生の構築を提案することとしたい。

日 時 2002年11月30日(土)  開場13:00 開会13:30 終了17:00
会 場 国立オリンピック記念青少年総合センター
 国際交流棟 第一ミーティングルーム

    東京都渋谷区代々木神園町3-1
    TEL 03-3467-7201
    http://www.nyc.go.jp/
参加費 2,000円
内 容 1)問題提起
    「人事(システム)崩壊の危惧」
    自立人間を育てる人事管理の基本
      ---ライフビジョン学会顧問 奥井禮喜
2)分科会
    @現代勤め人意識の問題点
    A職場コミュニケーションの実態
    B会社社会における個人の葛藤
3)全体会議