2008/12
チャリティオークションご協力感謝ライフビジョン学会


 






チャリティーオークション・パーティ
世話人の面々


永野夫人の手織りマフラー

Hさんの角皿

まだ市販されていない老松酒造の果実リキュール


タンザニアのポップアート































福祉施設グローブのサンタたち


ライフビジョン恒例
チャリティオークション13th 報告

(財)ジョイセフに423,500円を


 12月13日土曜日、新宿・京王プラザホテルのメインバー・ブリアンで開催したライフビジョンのチャリティー・オークション・パーティは、今年も皆様の応援を頂き、賑々しく大盛会でした。
 なんて書くと、この大不況の中でズレていると思われる方もいるかもしれませんが、不況だからこそチャリティもまた、頑張らなければならないでしょう。なぜなら経済の北風は、応援を必要としている人たちにも遠慮がないからです。
 もちろん今年はこのパーティも、参加人数は昨年を19名下回る35名。しかし集まったカンパ金は昨年を上回る423,500円の快挙でした。
 カンパのお品物を無償提供くださった皆様、現金をお送りくださった皆様、パーティ会場にお出かけくださりカンパ品をお買い求めくださった皆様、さらに心憎いサポートをしてくださった会場「ブリアン」スタッフの皆様、ありがとうございました。


今年話題のカンパ品たち

 毎年たくさんの方々から、いろいろなものをご寄付いただき、たくさんの話題が生まれます。
 今年も例えば「10年ものの梅酒」、NTT労組群馬地域の組合員がボランティアで管理している梅園の梅実をブランデーで漬けたもの。こってりした琥珀色に熟成していました。
 このパーティ定番、永野夫人手織りのマフラー。「あまり高い値をつけないでください、恥ずかしいわ。」といわれるが、今年も高値の1本1万円で買い手がつきました。
 有田焼の「香酒盃」は、酒の色が引き立ちそうな地肌の大ぶりぐい飲みで、「模様の魚の骨が酒に溶け込んで、骨酒に…」なんてトークが酒好きたちの想像力をかきたてたのか、「ハイ、3,500円ッ」ありがとうございました。
 17cm×34cmの「角皿」(白草窯)は 「寒風、砂塵吹きすさぶ上州・赤城山麓、西片貝なる寒村に一念発起、窯を拓いて十有余年。激しく、生々しく生きた人生をたたきつける様な作風に昨今、評価は高い」という添え書き付き。定年前後に窯を開き、生徒を集めて作家活動を続けるHさんの人生を焼き込めた力作。
 大分日田市の老松酒造株式会社は、まだ全国販売されていない新製品『梨園』他を提供。果実リキュールは添加物で味付けをしているものが多いそうですが、これは地元特産の梨を工夫して、果汁そのものの味を引き出しています。
 (株)MZQ提供のギターは英Tanglwood社デザインの中国製。手に取ったのはピアニストを父に持つというSさん、「でもお金がない」。かくて6万円前後と目されるギターは1万円でSさんの手に。
 今回のカンパ金贈呈先である(財)ジョイセフは、タンザニアの独創的ポップアートとして、欧米諸国を中心に世界各地で注目されている「ティンガティンガアート」額付き原画を寄贈。1960年代、タンザニア南部のトンドウール地方に住むマクワ族出身のエドアルド・ティンガティンガが、頭に浮かんだ動物の世界をエナメルペンキで描き始めたものが始まりという。彼らの描き方は始めに絵の大きさを決めるのでなく、思い浮かんだままに描くので、畳一畳分ぐらいの作品もあるのだとか。この日会場に持ち込まれたのは額付き(横75cm×縦76cm)ら3枚。


チャリティの遊び方

 さて会場の情景はと言えば、掛け合い、冷やかし、遊び心、シックなホテルのメインバーで軽妙なやり取りが繰り広げられます。その楽しそうな声につられて一般客が数組訪れ、お引き取り願う場面もありました。
 「**円ッ」オークショナーの金額提示に一瞬静寂。みんな誰かの出方を見計らっている。一呼吸おいて一人が「*■※円ッ」、別の一人が「*▽※円ッ」。観客はそのやり取りをわくわくしながら注目し、ときどき「もう一声ッ」などとはやしたりもする。「もうないですか、▽※■円、▽※■円」金額が止まり、落札者が決まるとホッとした空気が流れます。
 「安いッ」「いや安いじゃなくてお客さん、金額を言ってください」。(笑)中にはカンパ品とその日の参加者の嗜好とのアンマッチから、買い手のつかないものもありますが、そんな時にはライフビジョン学会の世話役たちが、財布の紐を緩めて場面転換に乗り出します。
 参加者の思惑はこもごもで、値付けは世間のルールと違う動きを見せます。いいものをお安く期待する派。珍しいものはないか、蚤の市期待派。品物の値段に自分のチャリティ分を載せて高く買う粋人派。当日の提供品の推定金額は32万円、それに対して売り上げは338,500円、常連が増えたこのパーティ参加者たちの、選球眼はなかなか渋いといえそうです。
 参加者はほとんど普通のサラリーマンで、日常生活はとても経済的に過ごしています。でも、チャリティーオークションではとても非経済的行動を示します。カンパを遊んでいるのです。
 赤い羽根は無価値な廃棄物を赤く染めただけの仕掛けで、たくさんの寄付を集めています。ライフビジョンが編み出したカンパ金集めの仕掛けはチャリティーオークション。ほしいのはモノではない、モノを介して遊び、友達を作り、カンパ先への連帯・共感を広げるこの方法は、今年で13回、通算金額も400万円を超えました。


みんな一緒に生きていこう

 帝国ホテル労働組合は、クリスマスリースや松ぼっくりのクリスマスツリーをたくさん提供くださいました。これらは障がい者の福祉施設グローブの商品たち。背の高いツリーは工業用ミシン糸の芯にフェルト生地を巻いてある。松ぼっくり・ツリーの足元を固めるのは、ホテルのパーティ会場で使われたシャンパンやワインのコルクです。今年も4,000個のコルクが、帝国ホテルからグローブに届けられました。
 グローブの商品にはほかに、ティーコゼ(紅茶ポットを保温する)、赤ちゃんのよだれかけ、足ふきマットなどなど。この材料ともなるタオルもまた、帝国ホテルが提供しています。ホテルのタオルは吸水性に富み、木綿を密に織り上げた上質の質感を持っています。グローブではクニーニング業の許可を受け、衛生管理のもとリネン処理された使用済みタオルを使って雑巾や下げタオル・袋物・赤ちゃんグッズなど、生活の中の便利グッズを作っています。「福祉作業所で作った物だからではなく、必要な物だから購入したい、品質がよいからぜひ使いたいと言っていただける物を作りたい」という経営方針がさわやかです。
 これらの売上金から通所する皆さんの賃金を確保し、仕入れをするので、安定的な販売が重要です。グローブの製品を使うことが通所者の作業意欲や張り合いと、グローブの経営の安定につながっています。パーティ会場で帝国ホテル労働組合・岡本書記長は、グローブの商品を置いてもらえるところを広げたい、皆さんの組織でも扱ってもらえないかと支持を呼びかけました。
 ――障がい者にとって労働は、単に生活の糧を得る手段であるばかりなく、学習の場であり、より充実した生き方に出会える場でもあります。『仕事がしたいのに働く場がない、障がいがあっても生き生きと生きたい』グローブはそんな仲間たちの切実な声から開設されました――と、笠原栄子・施設長はホームページで伝えています。
 このところのサラリーマンは働きすぎました。みんな自分の時間を削ってまで作りすぎて、物余り、金余りをきたしました。行き過ぎた成果主義とは対極にあるグローブの「サンタクロース」は、みんなで仕事を作ろう、みんなで雇用を生もう、みんなで一緒に生きていこうと訴えているようにも見えました。
 来年のチャリティーオークション・パーティも、12月の第二土曜日に開催します。もう会場「ブリアン」の予約を済ませました。
 皆様の新年が穏やかな年になりますように。


協力いただいた団体一覧とリンク

エフピーリンク株式会社
老松酒造株式会社
株式会社MZQ
(財)ジョイセフ
NTT労組群馬地区
京王プラザホテル労働組合
ダイエーグループ労組総連合会
帝国ホテル労働組合
日清紡労働組合
三菱電機システムサービス労組
モンテローザ労働組合




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